子どもの成績アップや受験対策のために、塾を検討しているご家庭も多いのではないでしょうか。
中でも、一人ひとりに合わせた指導が魅力の個別指導塾は近年人気が高まっています。
しかし、
- 「子どもの成績を上げたい!」
- 「でも、個別指導塾って本当に効果があるの?」
- 「高いお金を払って後悔したくない…」
と不安に感じている方もいるかもしれません。
個別指導塾は、お子さん一人ひとりに合わせた指導が魅力ですが、実は注意すべきデメリットもいくつか存在します。
この記事では、個別指導塾のデメリットと具体的な対策を徹底解説し、集団塾との比較や、メリット、デメリットを踏まえ、後悔しないための塾選びのポイントを詳しくご紹介します。
この記事を読めば、個別指導塾のデメリットを理解し、子どもに最適な塾選びができるようになるでしょう。
目次
個別指導塾のデメリットとは
個別指導塾は、子ども一人ひとりに合わせたきめ細やかな指導が魅力ですが、集団塾にはないデメリットもあります。
ここでは、個別指導塾を選ぶ際に注意すべき5つのデメリットと、それぞれの対策を詳しく解説します。
これらのポイントを事前に確認し、塾選びの落とし穴を回避しましょう。
1.費用が高くなりやすい
個別指導塾は、集団塾と比較して授業料が高くなりやすい傾向があります。
理由は、授業料以外にも、以下のような費用がかかる場合がある為です。
費用の種類 | 内容 |
---|---|
教材費 | 子どものレベルや目的に合わせて教材を選ぶため、高額になることがある。 |
施設利用料 | 自習室や冷暖房設備などの利用料が、授業料とは別に請求される場合がある。 |
特別講習費 | 夏期講習、冬期講習、春期講習などの季節講習や、受験対策の特別講座は、通常授業とは別料金となることがある。 |
入会金 | 入塾時に必要となる場合がある。 |
その他諸経費 | 模擬試験代、プリント代など、細々とした費用がかかることもある。 |
上記の費用を合計すると、年間の塾費用が予想以上に高くなる可能性があります。
入塾前に、必ず総額費用を確認しましょう。
具体的な対策:3つのポイントで予算オーバーを防ぐ!
1.複数の塾の料金を徹底比較
授業料だけでなく、教材費、施設利用料、特別講習費など、すべての費用を含めた総額で比較しましょう。
料金体系は塾によって異なるため、詳細な見積もりを依頼することが大切です。
2.授業料以外の費用を詳細に確認
入塾前に、授業料以外にかかる費用について、具体的に確認しましょう。
不明な点は、遠慮なく塾に質問してください。
3.特待生制度や割引制度を賢く活用
成績優秀者向けの特待生制度や、兄弟姉妹割引、友人紹介割引など、各塾が設けている割引制度を積極的に活用しましょう。
割引制度が無い塾もある為、入塾前に塾に確認しておきましょう。
2.講師の質にばらつきがある
個別指導塾では、講師の質が学習効果を大きく左右します。
しかし、残念ながら、すべての講師が質の高い指導を提供できるとは限りません。
大学生アルバイトが講師を務めている場合、指導経験が浅かったり、専門知識が不足していたりするケースも考えられます。
また、指導経験豊富なベテラン講師であっても、子どもとの相性が合わない場合もあります。
個別指導は、講師と子どもの1対1のコミュニケーションが中心となるため、相性は非常に大切です。
相性が悪いと、質問しにくくなったり、学習意欲が低下したりする可能性があります。
具体的な対策:体験授業と3つの確認事項でミスマッチを防ぐ!
1.入塾前に必ず体験授業を受ける
実際の授業を体験し、講師の教え方、説明のわかりやすさ、人柄などを確認しましょう。
複数の講師の授業を受けることができれば、より自分に合った講師を見つけやすくなります。
2.講師変更制度の有無を確認
講師との相性が合わない場合に備えて、講師変更制度がある塾を選びましょう。
HPに記載が無い場合には、塾にお問合せしてみると良いでしょう。
3.口コミや評判を参考にする
インターネット上の口コミサイトや、実際に通塾している子どもや保護者の意見を参考にしましょう。
ただし、口コミはあくまで参考程度にとどめ、鵜呑みにしないように注意しましょう。
3.競争心が育ちにくいことがある
個別指導塾では、集団塾のように、他の子どもと競い合う環境が少ないため、競争心が育ちにくいというデメリットがあります。
競争心は、学習意欲を高め、目標達成へのモチベーションを維持するために大切な要素です。
特に、受験を控えた子どもにとっては、競争心は大きな原動力となります。
具体的な対策:3つの方法でモチベーションを高く保つ!
1.定期的な模擬試験で実力チェック
模擬試験は、自分の実力を客観的に把握し、他の子どもとの比較を通じて競争心を高める良い機会です。
定期的に模擬試験を実施している塾を選びましょう。
2.明確な目標設定と進捗管理
- 次の定期テストで〇〇点以上取る!
- 〇〇大学に合格する!
など、具体的な目標を設定し、定期的に進捗状況を確認しましょう。
目標達成に向けて、講師と一緒に学習計画を立て、着実に実行していくことが大切です。
3.集団塾の模試やイベント参加も検討
個別指導塾に通いながら、集団塾が主催する模試やイベントに参加することも、競争心を刺激する良い方法です。
4.学習習慣が身につきにくい
個別指導塾では、講師が手厚くサポートしてくれるため、子どもが塾に依存してしまい、自主学習の習慣が身につきにくいというデメリットがあります。
「塾の授業を受けていれば大丈夫」と安心し、家庭学習がおろそかになってしまうと、学習内容が定着せず、成績が伸び悩む可能性があります。
具体的な対策:塾任せは危険!3つのポイントで自立学習を促す!
1.家庭学習の計画を立て、塾と連携
塾の宿題だけでなく、自主学習の時間を確保し、計画的に学習を進めることが大切です。
塾の講師と相談しながら、家庭学習の計画を立て、進捗状況を共有しましょう。
2.自習室を積極的に活用
多くの塾には自習室が設置されています。
授業の前後や空き時間に自習室を利用し、集中して学習する習慣を身につけましょう。
3.定期的なテストで理解度を確認
塾や自宅で定期的にテストを実施し、学習内容の理解度を確認しましょう。
テストの結果を分析し、苦手な分野を重点的に復習することで、学習効果を高めることができます。
5.カリキュラムが自由すぎるのが逆にデメリットに
個別指導塾では、子ども一人ひとりの理解度や進捗状況に合わせてカリキュラムを柔軟に調整できるというメリットがあります。
しかし、カリキュラムの自由度が高すぎると、学習の進捗管理が難しくなる場合もあります。
例えば、
- 「苦手な単元に時間をかけすぎて、他の単元の学習が遅れてしまった」
- 「得意な単元を早く終わらせすぎて、学習内容が定着しなかった」
というケースも考えられます。
具体的な対策:計画的な学習を行う
1.定期的な進捗確認とカリキュラム修正
塾の講師と相談しながら、定期的に学習の進捗状況を確認し、必要に応じてカリキュラムを修正しましょう。
「いつまでに、何を、どのように学習するのか」を明確にすることが大切です。
2.塾と連携した学習計画
塾の講師と保護者が連携し、長期的な視点から学習計画を立てましょう。
学校の定期テストや模擬試験、受験などのスケジュールを考慮し、計画的に学習を進めることが大切です。
3.長期的な目標設定
大学受験や資格取得など、長期的な目標を設定し、それに向けて学習を進めることで、モチベーションを維持しやすくなります。
目標達成のために、今何をすべきかを明確にし、計画的に学習に取り組みましょう。
個別指導塾のメリットとは?デメリットだけじゃない!
ここまで、個別指導塾のデメリットについて詳しく見てきましたが、もちろん個別指導塾にはメリットもたくさんあります。
ここでは、個別指導塾の主なメリットを紹介します。
子ども一人ひとりに合わせた、きめ細やかな指導をしてくれる
苦手科目の克服に最適
個別指導塾では、子どもの理解度や学習ペースに合わせて指導を行うため、苦手科目の克服に最適です。
例えば、数学が苦手な子どもであれば、数学の授業時間を増やしたり、基礎から丁寧に教えたりすることができます。
定期テスト対策も万全
学校の授業進度や定期テストの範囲に合わせて、柔軟にカリキュラムを組むことができます。
例えば、定期テスト前に、テスト範囲の復習や問題演習を集中的に行うことができます。
難関校受験にも対応
難関校受験に必要な高度な学力を、個別に指導することで効率的に身につけることができます。
例えば、難関校の過去問演習や、志望校別の対策などを行うことができます。
学習計画を柔軟に変更できる
部活動や習い事との両立も可能
子どものスケジュールに合わせて、授業の曜日や時間帯を柔軟に変更できるため、部活動や習い事との両立も可能です。
例えば、部活動が忙しい時期は授業の回数を減らし、時間に余裕がある時期に授業を増やすことができます。
学習状況に応じたカリキュラム調整
子どもの理解度や学習状況に応じて、カリキュラムを柔軟に調整することができます。
例えば、子どもの理解が早い場合は、カリキュラムを前倒しで進めたり、応用問題に取り組んだりすることができます。
講師に質問しやすい環境
わからないことをすぐに解決
個別指導塾では、講師に質問しやすい環境が整っているため、わからないことをすぐに解決できます。
例えば、授業中にわからないことがあれば、その場ですぐに質問することができます。
精神的なサポートも受けられる
学習面だけでなく、精神的なサポートも受けられるため、安心して学習に取り組むことができます。
例えば、学習に関する悩みや不安を講師に相談することができます。
個別指導塾がおすすめなのはどんな人?
個別指導塾には、向き不向きがあります。
ここでは、個別指導塾がおすすめな人と、そうでない人について解説します。
個別指導塾がおすすめな人
苦手科目を克服したい子
個別指導塾は、子ども一人ひとりの理解度に合わせて、丁寧に指導してくれるのが最大の強みです。
集団授業では質問しにくい内容や、つまずいている箇所を重点的に学習できます。
先生との距離も近く、わかるまで何度でも質問できる環境なので、苦手意識を克服し、着実にステップアップしたい子どもに最適です。
自分のペースで学習したい子
周りのペースに合わせる必要がない個別指導塾は、自分の理解度や学習進度に合わせて、じっくりと学びたい子に向いています。
学校の授業進度や定期テストのスケジュールに合わせた学習計画を立て、無理なく着実に学力を伸ばせます。
また、
- 「得意科目はどんどん先に進みたい」
- 「苦手科目は時間をかけて復習したい」
といった要望にも柔軟に対応可能です。
集団授業についていけない子
集団授業では、周りの子どものペースについていけず、授業内容が理解できないまま進んでしまうことがあります。
個別指導塾なら、周りを気にせず、自分のペースで学習を進められます。
わからないことは、その場ですぐに質問し、解決できるため、授業についていけないという不安を解消し、安心して学習に取り組めます。
難関校を受験したい子
難関校受験には、高度な学力と、志望校に特化した対策が不可欠です。
個別指導塾では、子どもの学力レベルや志望校の出題傾向に合わせて、オーダーメイドのカリキュラムを作成し、徹底的に指導します。
過去問演習や面接対策など、きめ細やかなサポートで、合格を力強く後押しします。
部活動や習い事と両立したい子
個別指導塾は、授業の曜日や時間帯を柔軟に調整できるため、部活動や習い事で忙しい子どもでも、無理なく学習を続けられます。
学校行事や試験期間など、スケジュールに合わせて授業回数を調整することも可能です。
限られた時間を有効活用し、学業と課外活動の両立を実現したい子にぴったりです。
個別指導塾がおすすめでない人
費用を抑えたい保護者
個別指導塾は、集団塾に比べて授業料が高額になる傾向があります。
講師の人件費や、個別カリキュラム作成にかかる費用などが、その理由です。
塾の費用をできるだけ抑えたい場合は、集団塾や、オンライン教材、家庭教師など、他の学習方法を検討した方が良いでしょう。
競争環境で学びたい子
個別指導塾は、基本的に1対1の指導となるため、他の子どもと競い合う機会が少ないです。
集団塾のような、切磋琢磨できる環境で学習したい子には、物足りなく感じるかもしれません。
競争心を刺激し、モチベーションを高めたい場合は、集団塾や、模擬試験を積極的に活用すると良いでしょう。
学習習慣が身についている子
すでに自分で計画を立て、自主的に学習できる習慣が身についている子どもは、個別指導塾のサポートが過剰に感じる可能性があります。
自分のペースで学習を進められるため、集団塾や、参考書を活用した自学自習でも、十分に成果を上げられるでしょう。
ただし、苦手分野の克服や、受験対策など、必要に応じて個別指導を活用するのも有効です。
集団授業の方が集中できる子
個別指導塾は、講師と1対1で向き合うため、緊張してしまったり、集中力が続かなかったりする子もいます。
周りに他の子どもがいる環境の方が、適度な緊張感があり、集中して学習に取り組めるという場合は、集団塾の方が向いているでしょう。
自分に合った学習スタイルを見つけることが大切です。
【早見表】個別指導塾と集団塾を比較!
ここまで、個別指導塾のデメリットとメリットを紹介しましたが、個別指導塾と集団塾、どちらが合っているのか迷っている方も多いでしょう。
以下の表は、両者を項目別に比較した表です。
ぜひ塾選びの参考にしてください。
項目 | 個別指導塾 | 集団塾 |
---|---|---|
費用 | 高くなりやすい | 比較的安価 |
講師の質 | ばらつきがある | 一定のレベルが保たれている |
競争心 | 育ちにくい | 育ちやすい |
学習習慣 | 子どもによっては身につきにくい | 子どもによっては身につきやすい |
カリキュラム | 自由度が高い | 一定のカリキュラムに従う |
進路指導 | 子ども一人ひとりに合わせた指導 | 集団全体に対する指導 |
メリット | ・苦手克服 ・定期テスト対策 ・難関校対策に強い |
・学習習慣が身につく ・競争心が育つ ・費用を抑えられる |
デメリット | ・費用が高くなりやすい ・講師の質にばらつき ・競争心が育ちにくい ・依存しやすい |
・授業についていけない場合がある ・質問しにくい ・周りに流されやすい |
後悔しないための、個別指導塾選びのポイント
個別指導塾選びで失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、塾選びの際に確認すべきポイントをチェックリスト形式で紹介します。
費用について
- 授業料以外にかかる費用(教材費、施設利用料、特別講習費など)を確認しましたか?
- 複数の塾の料金を比較しましたか?
- 特待生制度や割引制度について確認しましたか?
講師について
- 体験授業で講師の指導力を確認しましたか?
- 塾の講師採用基準や研修制度について確認しましたか?
- 講師との相性を確認しましたか?
- 講師変更制度があるか確認しましたか?
学習環境について
- 定期的に模擬試験を実施していますか?
- 目標設定や進捗管理はどのように行われますか?
- 家庭学習の計画やサポートはありますか?
- 自習室は利用できますか?
- 学習内容の定着度を確認するためのテストはありますか?
カリキュラムについて
- 学習の進捗状況はどのように確認できますか?
- カリキュラムの修正は可能ですか?
- 長期的な学習目標の設定はどのように行われますか?
まとめ
個別指導塾には、「費用が高い」「講師の質にばらつきがある」「競争心が育ちにくい」などのデメリットがあります。
しかし、これらのデメリットは、事前の情報収集や塾選びの工夫によって、回避することが可能です。
本記事で紹介したチェックリストを参考に、後悔しないための塾選びをしましょう。
そして、個別指導塾のメリットである「きめ細やかな指導」「学習計画の柔軟性」「質問しやすい環境」などを最大限に活かし、子どもの学習を成功に導きましょう。