第2章 「読書感想文」の書き方
「読書感想文」のように長い文章を書くときは、いきなり原稿用紙に書こうとしてもなかなか進まなくて、書いては消して、書いては消して、を繰り返していませんか?
実は、文章が長ければ長いほど、前もって準備することが大事なんです!
では、前もって準備するとは、何をしたらよいのでしょうか?
次の1~4の手順に従って書いていきましょう!
1,まず、本を読みながら思いついたことをどんどん喜怒哀楽メモカードに書いて内容をプラスしていこう!
本を読みながら思いついたことをノートやメモに書き出していきましょう!
メモ用紙なら、書いたものを本にはさんでおくことができます。
登場人物の生活や行動・考えなどに注目しながら本を読んでいき、「楽しい」「おもしろい」「すごい」「びっくり」「ひどい」「悲しい」と思ったところや、自分と比べられそうなところを見つけて書き出してみましょう。
自分とは全然違う。あるいは自分と同じだと思うところを書きだすのがコツ!
本を読みながら思いついたことをノートやメモに書いたら、次はそれをふくらませること!メモ程度でOK!
【レベル1…基本のやり方】
①なぜ、「楽しい」「おもしろい」「すごい」「びっくり」「ひどい」「悲しい」と思ったのか?理由を書きましょう!
②本の内容と比較して見えてきた、自分の生活・行動・考えを書きましょう!
⇒自分の生活・行動・考えについての具体例やエピソードがあれば、簡単に書きくわえましょう!
【レベル2…広げる、掘り下げる、深めるためのキーワード】
◎なぜ 「なぜ登場人物は〇〇したのか?」を考える。
・「なぜ私は~と思ったのか?」と自分の意見の理由を考える。
◎どうすれば 「どうすれば登場人物は~できたのか?」を考えてみる。
・「どうすればよい(よかった)のか?」
◎もしも 「もしも私だったらどうするか(どう思うか)?」と考えてみる。
・「もしも登場人物がこうしていたら・・・」と仮定して想像してみる。
本を読み進めて感じたことや考えたことは、ノートやメモにどんどん書き出し、ふくらませていこう!
これで作文の題材候補がどんどんたまっていくのです!
2,材料から作文の題材を選び、「基本のかたち」を決める。
ノートやメモ用紙に書き出したことの中から、より話をふくらませられそうなものを選びましょう!
あらかじめ、「読書感想文」の「基本のかたち」を頭に入れておき、「基本のかたち」どおりに文章を書いて行けそうかどうかで、選ぶと良いですよ!
メモ
※「基本のかたち」とは、段落をいくつにして、それぞれの段落にだいたいどんなことを書くのか、といった作文の大まかな内容のこと。あくまでも予定なので、あとでいくらでも変えてよいです!何も考えずにいきなり作文を書くのではなく、しっかり予定を立ててから書くことが大事ですよ!
「読書感想文」の「基本のかたち」
※①~⑤は段落番号です。
パターンA(基本形) 本の内容よりも自分のことを中心に書くとき
①「私はこう思った。」
…自分の感想・意見をバンっと書く(インパクトが大事)
②「なぜなら、△△だから。」・「もしも私が〇〇だったら△△だから。」
…行動や考え・衣食住について登場人物と自分をくらべる
③「たとえば、私は~のときに、~だった。」
…具体的な例を使って自分がどんな人間なのかを説明する
④「だから、~だと思う。」・「だから、私には~が必要だ(~が課題だ)。」
…②③のまとめ(②③をふまえた自分の反省点や課題)
⑤今後の抱負(④の反省をどう生かすか)
…思いっきり前向きにかっこよく書く!
「はずかしい」、「くさい」と思うぐらいがちょうどよかったりします(^^)/
パターンB(発展形) 本の内容を深く掘り下げ、発展させた内容を書きたいとき
①「私はこう思った。」
②「なぜなら、~だから。」
③「たとえば、~のようなときは~だ。」
④「もしも、~だったら、~だ。」←この「もしも~だったら」が本の内容を深く掘り下げるコツ!
⑤「だから、~だと思う。」
題材(テーマ)はできるだけ1つにしぼろう!題材(テーマ)は多くても2つまでにしておきましょう!
3.いざ、下書きをする。
①段落ごとの「書く量」をだいたい決めておこう
…各段落に書くことを予定している内容から、各段落に必要な量(行数)を考えましょう!
下書き用の原稿用紙に目安の線を書く!
一度、下書きをしてみて、多すぎるところは削り、少なすぎるところはもっと具体的に書くなどして量を増やしましょう!
②作文のルールを確認
…句読点や「 」の書き方。
段落の一字下げ。タイトル・氏名の書き方。話し言葉禁止。など
③「です・ます」より「だ・である」がオススメ
…書きやすく、力強くてインパクトがありますね!
ムダな字数をとられない。
④「て」・「に」・「を」・「は」・「が」・「の」・「へ」(助詞)の使い方に注意
…間違えると文の意味が変わってしまうぞ!使い方には気をつけよう!
⑤主語と述語の関係に注意
・文の中で主語が変わる場合は、変わった部分の主語を書くようにしましょう!
(例)「妹に消しゴムをあげたら、ありがとうと言った。」←「ありがとう」の前に「妹が」を入れる
⇒「妹に消しゴムをあげたら、妹がありがとうと言った。」
・主語と述語をなるべく近くにしましょう!
主語・述語の間に修飾語を入れすぎるとわかりにくいですよ!
⑥1つの文が長くなりそうなときは、いくつかの文に分ける
…1つの文が4行をこえたら要注意です!!
⑦文と文、段落と段落をつなぐ「つなぎ言葉(接続語)」をうまく使おう
…「だから」・「でも」・「しかし」・「たとえば」・「また」・「そして」など
4,ついに、清書。
下書きで書いた文を推敲※しながら、清書していきましょう!
他人が読んで、読みやすい字で丁寧に書こう!ここまでできれば読書感想文完成です!
※推敲とは、文の表現をあれこれ考えることです。
―次ページ 第3章 学年別「読書感想文」の書き方―
小学生1~2年生・3~4年生・5~6年生に分けて読書感想文の書き方をお伝えいたします。